中学校理科について解説しています。
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スケッチのしかたに関して質問を頂いたのでご紹介します。
スタディネーム、勉強したくないさん
理科の授業でスケッチをしないといけないのですが、私は絵が上手くないので困っています。どうすればいいのか分かりません。
理科のスケッチでは上手く描こうとしなくてもいいと思います。
上手く描こうとするよりも、正確に描こうと意識することの方が大事です。
例えば、大きさを正確に描こうと意識するとか、数を正確に描こうと意識するとか、形を正確に描こうと意識するとか、位置関係を正確に描こうと意識するとか。
こういったことを意識して描くといいと思います。
上手くなくていいので正確に描く
理科のスケッチで大切なポイントを3つ紹介します。
1、気付いたことを書きとめる
理科のスケッチでは、気付いたことを文字で書きとめておきます。
メモ:気付いたことを文字で書いておく
最近では、スマートフォンなどで簡単に写真を撮れるので、スケッチをしなくても記録できる時代になっていますが、写真で全部記録できるというとそうではありませんよね。
例えば、匂い、重さ、温度、肌触りなどは写真では記録できないし、大きさやその日の天気なども写真では分かりにくいです。
それに、気付いたことは書いておかないと忘れてしまいますよね。
なので、気付いたことを後から思いだせるように、全部書いておきます。
2、日付を書いておく
理科のスケッチでは、いつ描いたのか分かるように日付を書いておきます。
メモ:日付を書いておく
自然を観察するスケッチの場合、季節によってその様子が違っていることも考えられます。なので、いつスケッチしたのかというのは大事な情報です。
また、もし新しい発見をした場合、誰が最初に発見したのかを示すために日付は大事な情報になります。
メモ:日付は大事な情報
3、細い線と点ではっきりと描く
理科のスケッチでは、細い線と点ではっきりと描きます。
メモ:細い線と点ではっきりと
はっきりと描くなら、太い線の方がいいのではと思うかもしれませんが、太い線で描いてしまうと、細かい部分を描くときに線が重なってしまう可能性があります。
理科のスケッチでは重ね描きはしません。これは習字のルールと似ているかもしれませんね。
メモ:重ね描きはダメ
今回のテーマは「科学的探究と理科のスケッチ」です。
理科ではいろいろなものをスケッチしますよね。
でも、そもそも理科のスケッチは何のためにするのでしょうか。
それを考えるためには、科学的な探究の方法を知っておく必要があります。
科学的な探究の方法と言うと難しそうに感じるかもしれませんが、簡単に言うと、上手に物事を解き明かしていくための手順や注意点を学んでおこうということです。
しっかり理解しておくと、色々な観察・実験や自由研究などを上手くできるようになりますよ。
科学的な探究は、疑問をもつことからはじまります。
疑問をもつ
どのような疑問であってもかまいません。
ささいな疑問から科学的な探究がはじまります。
具体例がある方が分かりやすいと思うので、ここからは次に示す疑問を例に、科学的な探求について考えていきましょう。
「タンポポの花は種類によってつくりが違っているのだろうか」という疑問を例に考えていきます。
科学的な探究では、疑問をもったら、次に何を調べるか課題を設定します。
課題を設定する
「タンポポの花は種類によってつくりが違っているのだろうか」という疑問の場合、みなさんなら何を調べますか。
タンポポの花の種類には、例えば、ニホンタンポポやセイヨウタンポポがあります。
なので、例えば、「ニホンタンポポの花とセイヨウタンポポの花のつくりの両方を調べる」という課題を設定することができます。
2種類のタンポポの花のつくりを調べて比較すると、「タンポポの花は種類によってつくりが違っているのだろうか」という疑問に答えることができるようになると考えられます。
けれども、「ニホンタンポポの花のつくりを調べる」という課題や「セイヨウタンポポの花のつくりを調べる」という課題のように、1種類のタンポポの花のつくりを調べる課題を設定してもかまいません。
なぜそのような課題を設定してもいいのか分かりますか。
「タンポポの花は種類によってつくりが違っているのだろうか」という疑問を解決するためには、いくつかの種類を調べて比較する必要があります。
けれども、いくつもの種類を調べるのは大変ですよね。
科学的な探究では、必ずしも疑問を一度に解決する必要はありません。
「タンポポの花は種類によってつくりが違っているのだろうか」という疑問を解決するにあたって、まずは1種類の花のつくりを調べようという計画であってもいいのです。
科学的な探究では、できることからはじめることが大切です。
無理して全部調べる必要はありません。
科学の専門家も、いきなり全部を解決しようとはせず、できることから解決していきます。
できることからする
科学的な探究では、疑問をもち課題を設定したら、次に観察・実験・調査の計画を立てます。
例えば、「ニホンタンポポの花のつくりを調べる」という課題を設定しても、具体的な方法を考えないと調べることはできないですよね。
「ニホンタンポポの花のつくりを調べる」という課題の場合、みなさんなら、どんな計画を立てますか。
例えば、「ニホンタンポポの花についてインターネットで調べる」、「ニホンタンポポの花について図鑑で調べる」、「ニホンタンポポの花の実物を観察する」といった計画を立てることができます。
「ニホンタンポポの花の実物を観察する」という計画の場合、より具体的には、「ニホンタンポポの花の写真を撮る」、「ニホンタンポポの花のスケッチをする」、といった方法を考えることができます。
つまり、理科のスケッチは課題を実行するための具体的な方法のひとつだと言えます。
具体的な計画が決まったら、計画を実行します。
計画にしたがって、インターネットで調べたり、図鑑で調べたり、写真を撮ったり、スケッチしたりします。
そのように計画を実行したら、忘れないうちにその結果を整理します。
計画を実行する
結果を整理する
結果を整理したら、その結果をもとに、どんなことが言えるのかを自分なりに考察します。
結果をもとに考察する
例えば、「ニホンタンポポの花のスケッチをする」という計画を実行したら、スケッチの結果をもとに、「ニホンタンポポの花のつくりはどんなつくりであると言えるか」を自分なりに考察します。
そのため、この場合、「ニホンタンポポの花のつくりはどんなつくりであると言えるか」を考察できるようにスケッチする必要があります。
つまり、とりあえずスケッチすればいいというものではないのです。
どのようなスケッチをすればよいか、よく考える必要があります。
ここまでの話をまとめます。
科学的な探究では、疑問をもち、課題を設定し、観察・実験・調査の計画を立て、計画を実行し、結果をまとめ、結果をもとに考察します。
理科のスケッチは課題を解決するための具体的な方法のひとつでした。
考察できるように、どのようなスケッチをすればよいかよく考える必要があります。
ここで説明した科学的な探究の方法は、もちろん、タンポポの観察に限らず、色んなことに共通する方法です。
とても大切なことなので、しっかりと理解しておきましょう。
メモ:正確に描くことを意識